研究大会

日本山の科学会2023年秋季研究大会の報告

掲載日:2023年12月11日

日本山の科学会2023年秋季研究大会は,2023年11月18日(土)・19日(日)に,「東京都あきる野市の戸倉しろやまテラス」において開催された。参加者は29名であった。戸倉しろやまテラスは,閉校となった戸倉小学校の校舎を利用した研修施設である。この大会では,教室をそのままのかたちで保存している研修室を利用してポスター発表と口頭発表,一般公開の講演会を実施した。ポスター発表は7件で,コアタイムを2つのグループに分けて発表が実施された。2分間のフラッシュトークをはじめに行い,その後ポスターを前にした発表が行われ,時間いっぱい活発な議論が交わされた。口頭発表は6件で,山岳を対象とする様々な分野の研究発表に対し,フロアから多くの質問が寄せられて理解が深まった。これらの発表のなかから,学生優秀発表賞に千葉大学大学院融合理工学府・大学院生の鈴木拓海会員が,また,若手優秀発表賞に宇宙航空研究開発機構の有江賢志朗会員がそれぞれ選出された。また,お昼休み明けの時間を利用して日本山の科学会の総会が開かれた。

15時から一般公開講演会が開催された。鈴木毅彦先生(東京都立大学地理環境学科・教授,日本第四紀学会会長)を講師として招聘し,「平野の地形・地質から山の成り立ちを考える~関東山地と関東平野を事例に~」という演題でご講演いただいた。関東山地がいつ頃どのような作用で形成され始めたかなど,長らく解明されていない話題にも言及があり,たいへん興味深い内容の講演であった。

18時から戸倉しろやまテラスのラウンジを借り切って意見交換会が開催された。新型コロナウイルスの影響下で意見交換会を長らく開催できなかったので,参加者は久々の意見交換を楽しんだ。また,今回の意見交換会では,参加者それぞれが飲み物や食べ物を持ち寄っての開催となり,旧家庭科室を使って簡易調理をおこなう参加者もみられた。翌日の現地討論会を控えて参加者の多くは戸倉しろやまテラスの宿泊施設に宿泊したため,ラウンジが使える時間いっぱい議論を深めることができ。非常に有意義な意見交換会となった。

(報告 佐々木明彦)

ポスター発表フラッシュトークの様子
ポスター発表フラッシュトークの様子
講演者の鈴木毅彦先生
講演者の鈴木毅彦先生
講演会の様子
講演会の様子